調理師の仕事をしたい方にとって、華やかなイメージのあるホテルに就職したいと考える方は多いでしょう。
そんな僕も高校を卒業して選んだ就職先はホテルです。
約7年間働いたホテルの調理師としての感想は正直「きつい」ですが、よかったところもありました。
そこで今回は
- ホテルの調理師がきつい理由
- ホテルの調理師のメリット
- ホテルの調理師の1日の流れ
を解説していきます。
ホテルの調理師なんて選ばなきゃよかった…
と後悔しないためにも、ホテルの調理師として働きたいと思っている方は最後までご覧ください。
ただホテルの調理師に限らず、飲食店はブラックな職場が多いため就職はオススメしません。
しかしどうしても働きたい場合は転職エージェントを活用し、ホワイトな企業を選ぶようにしましょう。
労働時間が長いのに、給料が低い職場を避けたいのなら登録しておくといいですね。
飲食店に就職を考えている方はこちらの記事も参考にしてください。
ホテルの調理師がきつい理由
店休日がない
ホテルは基本的に年中無休ですよね。
ホテルの営業にレストランも合わせているので、店休日はないところが多いです。
店休日がなくてもローテーションで休めるので、普段は特に気にならないかもしれませんが、年末年始は違います。
ほとんどの方が休んでいる
- 大晦日
- お正月
に働かなければいけないのは、「嫌だ」という方がほとんどだと思います。
さらに僕自身も経験がありますが、大晦日は仕事の関係で職場で年を越してお正月から仕事をすることがほとんどです。
お正月に働くのは精神的にきついね
僕はもうホテルで働きたくないと思っていますが、年末年始に休めないのが大きい理由です。
せめてお正月だけでもゆっくり休みたいのであれば、ホテルの調理師には就職しない方がいいでしょう。
上下関係が特に厳しい
ホテルで調理師をしている方は仕事に誇りを持っている方が多いのでめちゃくちゃ厳しいです。
僕も入社したての頃は毎日のように怒られていましたし、叩かれたりもしていました。
また
先輩から仕事を教えてくることは少なく、自分から主体的に行動しないと成長しません。
仕事に対し厳しかったので技術を磨けた側面もありますが、改めて考えてみてもきつかったです。
- 厳しすぎる環境は苦手
- どちらかといえば受け身
といった方はホテルを選ばない方がいいかもしれませんね。
転勤がある
転勤があることによって色々な場所で働け、料理の幅が広がるので悪いこととは限りません。
しかし
- 新しい場所に慣れなければいけない
- 人間関係がリセットされる
- 引っ越しの作業が大変
といったことを考えると「きつい」といえます。
どうしても地元を離れたくない方にとってはかなりのデメリットでしょう。
家族ができれば転勤をしたくないという方も多いので、転勤があるのはマイナス面が大きいですね。
給料が低い
飲食店は全体的に給料が低い傾向ですが、ホテルの調理師は特にそうです。
長く勤め、役職がつくと給料も上がりますがそれまでは月の給料が20万円以下ということも珍しくありません。
ホテルの調理師として働き納得のいく給料をもらうためには、早めの昇進が必要そうですね。
無理をいうお客さんが意外と多い
ホテルには上品なイメージがあるので、クレーム等は少ないように思うかもしれません。
しかし実際は,自分好みに料理のカスタマイズを希望される方が多いです。
具体的には
- 辛くない料理なのに、辛くしてほしい
- いつもと違う食材に変えてほしい
- 味を変えてほしい
等ですね。
「ホテル」という立場上、なるべくお客さんの要望に応えなければいけません。
またどうしても対応できずお断りしても、納得してもらえずクレームに繋がったこともありました。
ホテルの調理師として働くのであれば、柔軟な対応が求められるでしょう。
新メニューを商品化するまでがきつい
ほとんどの飲食店で新メニューを商品化するには
- 店長
- オーナー
といった上司に試食してもらう必要があります。
しかしホテルでは
- 支配人
- 副支配人
- 他の店舗の責任者
とさらに多くの方に試食をしてもらうケースが多いです。
試食に必要な人数が増えるので
- 仕込み
- 調理
- 料理の説明
にかなりの時間をとられるのは間違いありません。
試食したメニューに関しても,上司の好み合わないことで再考しなければいけないということも多々あります。
そうなるとお客さんでなく,上司が好きそうなメニューをばかりを考えるようになってきます。
これでは意味がないですよね
簡単には商品化できないというのは知っておきましょう。
ホテルの調理師のメリット
ホテルの調理師のきつい点をあげてきましたが、次はいい点をあげていきます。
総合的に考えましょう。
技術が身につく
ホテルの調理師は
- 先輩が厳しい
- 仕込みの量が多い
等の理由から技術が身に付きやすいです。
調理師は技術を身につけておけば、どこでも働けるし、給料も上がっていきます。
調理師として実績を残したいと考えている
のであればホテルを選ぶのも悪くないでしょう。
しかしホテルで技術を身につけようとすると、ある程度の年数が必要になってきます。
かなりの忍耐力がいりそうだね…
そこでオススメしたいのが飲食人大学という調理学校です。
飲食人大学は3ヶ月で現場で通用する調理師を育てるをコンセプトにしており、卒業生は
- ミシュランガイドブックに載っている
- 有名店に就職している
- 海外でも就職できている
とかなりの実績を残してくれています。
技術は身につけたいけど下積み期間は短くしたいという方は飲食人大学を選ぶといいでしょう。
もっと飲食人大学について知りたい!
という方はこちらの記事をご覧ください。
高級食材に触れれる
ホテルはお店の性質上、高級な食材を使うことが多く、ときには試食で食べることさえできます。
個人のお店などでは
- 取り扱う機会が少ない
- そもそも取り扱ってない
ので高級食材に対しての技術はなかなか磨かれません。
また、何千円とする高級食材を使った料理を何度も食べに行くのは金銭的に負担が大きいですよね。
仕事で高級食材に触れることができるのは、ホテルならではメリットでしょう。
非日常の空間で働ける
ホテルは華やかな所が多いです。
おしゃれな雰囲気の場所が職場だと、自己満足度が高くなりますよね。
僕はホテルの他に結婚式場でも働いたことがありますが、とてもおしゃれな作りだったので出勤しても気分が上がったのを覚えています。
(残念ながらすぐに慣れてしまいますが…)
また、調理師をしていると知人が食べに来てくれることがありますが、おしゃれなお店に招くほうが気分がいいですよね。
非日常な空間の職場というのは、メリットの1つといえるでしょう。
キャリアアップの機会が豊富
ホテルの調理師はキャリアアップの機会が豊富なので経験を積みたい方には向いているでしょう。
調理師からシェフ、さらにはエグゼクティブシェフやフード&ビバレッジマネージャーなど、さまざまな役職に昇進することが可能です。
またホテルの規模やブランドによっても異なる経験を積むことができ、キャリアの幅を広げることができますね。
福利厚生がしっかりしている
ホテルは給料が安い代わりに
- 宿泊や食事に社員割引がある
- 社会保険が充実している
- 確定拠出年金制度がある
等の福利厚生がしっかりしていることが多く、僕もホテルで働いていたときは上記のような福利厚生を利用させてもらいました。
また僕はホテル在籍中に母親を亡くしましたが、お葬式では会社から花輪を送ってくれたので参列者の対し、いい顔をすることができました。
福利厚生が手厚いのは精神的な支えになってくれるでしょう。
ホテルの調理師の1日の流れ
次は具体的にホテルでの仕事をイメージしやすいように、僕が実際に働いていた1日を表にしました。
出勤 | 10:00前 |
ランチ準備 | 〜11:30 |
ランチタイム | 1130〜14:30 |
休憩&仕込み | 14:30〜17:00 |
ディナー | 17:00〜21:30 |
掃除 | 〜22:00頃 |
事務作業、退勤 | 22:00過ぎ |
それぞれ深堀していきます。
早番での作業
ホテルは全員同じ時間に出勤して、同じ時間に帰るということはなく
- 早番
- 通し
- 遅番
に分かれています。
早番はその名の通り、1番はじめに出勤して、朝食やランチの準備をします。
僕が所属していた部署は朝食の担当ではなかったので、10時前に出勤していました。
ホテルによっても違いますが
朝食を担当するのであれば5時頃には出勤するようになる
でしょう。
ランチタイム~休憩
ランチが始まるとオーダーを捌きながら、簡単な切り物といった細かい仕込みをしていきます。
そして、ランチタイムが終わりディナーが始まるまで
- 食事
- 休憩
- ディナーに向けての仕込み
等の時間にあてられます。
もしまかないがあるホテルなら
新入社員が従業員分の食事を用意
しなければいけません。
料理を食べた先輩からは「美味しくない」といわれたりしますが、料理を作れる貴重な機会なので楽しかったりします。
ランチの忙しさによって休憩できる時間は変わってきますが、だいたい1時間ぐらいのイメージです。
早番の人は仕込み終わりの17時頃には退勤できるでしょう。
ディナータイム~片付け
夜の営業が始まる前に遅番が出勤することが多いです。
ホテルのディナータイムではセットメニューがないのが一般的なので、単品メニューに対応するようになります。
初めは
どんな料理に何の食材を使っているか?
を覚えなければいけませんが、メニュー数が多いのでかなり大変です。
なるべく早く料理を覚えることで仕事はしやすくなるでしょう。
ディナータイムが終わりに近付くにつれ
- 片付け
- 掃除
も合わせてしていきます。
上手くいけばディナータイムのラストオーダーの時点で帰ることができます。
事務作業
ホテルによっては
- 報告書
- 日報
等の事務作業が毎日あります。
基本的にこのような事務作業も新入社員がするようになります。
ホテルの調理師を選んだほうがいいのはどんな人?
きついけどいい点もあるホテルの調理師。
これではホテルの調理師になってもいいのか迷ってしまいますよね。
僕が考えるホテルの調理師に向いているのは
- とにかく技術を磨きたい
- 高級な食材の知識を得たい
- 忍耐力がある
- 転勤も気にならない
- ずっと調理師を続ける予定
以上に当てはまる方だと、「きつさ」よりホテルを選んだメリットのほうが上回るでしょう。
ホテルの調理師はきついが悪いことばかりではない
今回はホテルの調理師について記事にしました。
再度おさらいすると、きつい理由が
- 店休日がない
- 上下関係が特に厳しい
- 転勤がある
- 無理をいうお客さんが意外と多い
- 給料が低い
- 新メニューを商品化するまでがきつい
です。
反対にホテルの調理師のいい点は
- 技術が身につく
- 高級食材に触れれる
- 非日常の空間で働ける
です。
今回の記事を読んでホテルの調理師に不安を感じたのなら、就職しないほうがいいでしょう。
僕自身いくつかの飲食店で働きましたが、ホテルで働いていた時が一番きつかったです。
もし他の飲食店を希望するならフーズラボに登録することをオススメします。
フーズラボは飲食店に特化した転職エージェントです。
登録料や利用料は一切かからず、場合によっては就職先に対して年収の交渉までしてくれる
ので求職者にはメリットしかありません。
フーズラボについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
とはいえ、悪い点ばかりでもないので
あなたがどのような調理師になりたいか
をしっかり考え判断しましょう。
ではでは。