夫婦で飲食店を経営しており、飲食店にまつわるブログを書いているマー坊です。
飲食店の開業はリスクが高いことで知られていますが
僕自身は自営業をするようになってから満足のいく働き方が出来るようになったので、開業も悪くないと考えています。
といっても全員が開業したほうがいいというわけではなく、飲食店の開業に向いてない方も当然います。
そこで今回は飲食店が難しい理由に加え、飲食店開業をやめておいたほうがいい方の特徴を紹介します。
ただでさえ廃業率が高い飲食店ですが、向いてない方だとお店を続けるのは不可能に近いでしょう。
つまり開業にかかった数百万を損する可能性があるということです。
もしあなたが飲食店を開業したい!
と考えているのなら今回の記事が参考になるので最後までご覧下さい。
開業して経営者になるなら「読書」の習慣をつけるほうがいいです。
僕も開業してから読書をするようになり、様々な知識が身につきました
今より成長したい方は読書の時間を増やしましょう!
また飲食店開業に失敗する原因については、下記の記事にまとめているのでご覧ください。
飲食店の廃業率
飲食店が廃業しやすいということをまずは数字で確認しましょう。
飲食店は開業から2年以内に半分のお店が廃業するといわれています。
さらに
- 5年以内に70%
- 10年以内に廃業する確率は90%
となっています。
改めて数字でみると、飲食店開業の難しさが伝わりますね。
飲食店の廃業の理由や対策については実例を交えて記事にしてますので、参考にしてください。
なぜ飲食店の開業はやめたほうがいいといわれるのか?
そもそも飲食店が難しいと言われるのは
- 利益率が低い
- 参入障壁が低い
- 開業に多額の資金が必要
等が大きい理由として挙げられます。
順番に解説していきます。
利益率が低い
飲食店の利益の構造として大まかに
項目 | コストの割合 |
材料費 | 30% |
人件費 | 30% |
家賃 | 10% |
光熱費 | 7% |
その他 | 13% |
営業利益 | 10% |
となっています。
上手くいっているお店では表の通り利益率が10%ほどなので
100万の売り上げがあっても手元に残るのは10万円
という風になります。
ところが
- ロスが多い
- 人件費が高い
というような管理ができていないお店は、コストが高くなるので利益率はもっと悪くなります。
仮に、大きいコストの1つである材料費を下げようとすると
安い食材を使う(質が下がる)ことになるのでお客さんが遠ざかる
原因になります。
反対に高い食材を使う(質を上げる)とお客さんは増えるかもしれませんが、利益は下がります。
飲食店の利益率を上げるのは難しそうですね。
参入障壁が低い
飲食店を開業するために必要な資格は
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
の2つだけです。
どちらも1日の講習で習得できるので、それほど難しい資格ではありません。
なお、具体的な資格の取得方法はこちらの記事で解説しています。
資格を取りやすいことが
参入障壁が低くなりライバルが多くなる
ことに繋がります。
ライバルが増えれば、経営が難しくなるのは間違いないでしょう。
開業に多額の資金が必要
飲食店の開業には夫婦でするような小さいお店でも、およそ1000万ほどかかると言われています。
飲食店の開業資金についてはこちらの記事で解説しています。
小さい飲食店の開業資金はどれぐらい?実際にかかった費用の内訳を公開
1000万もの大金を用意できる方が少ないので、借り入れをされる方がほとんどでしょう。
借り入れの元本に利息をつけて何年もかけて返済していく。
なかなか大変そうですよね。
改めて飲食店開業が難しい理由を簡単にまとめると
開業するために数百万も必要なのに、ライバルが多く稼ぎにくい
ということです。
このような条件だと確かに難しそうなので、安易な気持ちで開業するのはやめておいたほうがいいでしょう。
飲食店開業をやめたほうがいい方の特徴
飲食店の経営が難しい理由を理解したところで、飲食店の開業をやめたほうがいい方の特徴を解説していきます。
先に結論をお伝えすると
- 料理が美味しくない
- お金の管理ができない
- 計画性がない
- 行動力がない
- 社交性がない
- 自己管理ができない
- コンセプトが明確でない
です。
それぞれ詳しく解説していきます。
料理が美味しくない
これはイメージしやすいですよね。
飲食店として開業するには料理が美味しくないといけません。
ただ勘違いしないでほしいのは、美味しいと決めるのはあなたではなくお客さんです。
全ての人が美味しいと感じる料理を作るのは難しいですが、少なくても半数の方は美味しいと思わないと難しいでしょう。
でも美味しいのに続かないお店も多いよね?
その通りです。
飲食店を継続させるには
- 立地
- サービス
- 価格
- 居心地の良さ
等、色々な要素が必要なので美味しければいいというわけではありません。
それでも僕は20年以上飲食店に携わってきて実感するのは、料理の美味しさが1番重要です。
反対に
多くの人が食べて美味しいと思う料理を作れるのであれば飲食店に向いている
といえますね。
そこで今まで以上に料理を美味しく作るため、調理学校に行くのも手段の1つです。
飲食人大学という学校では
- 未経験でも
- 3ヶ月で
- 現場に通用する職人を育成する
をコンセプトにしています。
飲食人大学の卒業生の中にはミシュランを獲得しているお店もある
ので、飲食店を開業するためにはかなりいい経験ができるでしょう。
飲食人大学について気になる方はこちらの記事をご覧ください。
お金の管理ができない
あなたは貯金は得意ですか?
貯金が苦手…という方は、自営業に向いていない可能性があります。
自営業はお金の管理が本当に大事です。
- 仕入れ
- 税金
といった定期的に発生する支出に加え
- 厨房器具が壊れる
- 空調が壊れる
といった突発的に必要な支出があるからです。
この場合、お金をしっかりと管理しておかないと支払いができませんよね。
自営業はご存知のように売り上げが安定しません。
しかしそのような状況でも支払いが出来るように、日頃から蓄えておく必要があります。
貯金やお金の管理が苦手
といった方は開業しない方がいいでしょう。
計画性がない
行き当たりばったりに行動している方も、開業をやめておいた方がいいです。
特に思いつきで開業するのは失敗の典型例です。
開業をするのであれば
- どのようなお店にしたいか
- どのようなお客さんが見込めるか
- そのためにどのような設備が必要か
等を熟考する必要があります。
具体的な開業手順が知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
また「お金の管理」にも通じますが
- 税金の支払い
- 大規模な修繕
のためには、計画的にお金を蓄えておかなければいけません。
計画を立てるのが苦手な方は、「今」のことしか意識しておらず、先のことを考えていないと思います。
計画性を鍛えるには少しずつでもいいので
この後どうなるか?を考えるクセをつけてください。
その考えが間違っていても構いません。
先を考えることを繰り返すことで、計画的な行動が出来るようになるでしょう。
行動力がない
「飲食店」に限らずですが、自営業を続けるには行動力が必要です。
売り上げを伸ばすためにいい方法を思いついたとしても、実行しなければ意味がありません。
悪い箇所を見つけることができても、改善しなければ何も変わりません。
仮に
現状維持のままで何もしなければ、売り上げは下降していく
でしょう。
行動力は大事ですね。
社交性がない
飲食店の自営業をするのであれば、社交性は間違いなく重要です。
お客さんに対してもそうですが、周辺店舗や近所の方にも社交性がないといけません。
近所の方はまだ分かるけど、周辺店舗の方はライバルに当たるからいいんじゃない?
と思うかもしれませんが、間違いなく必要です。
よく
周りの飲食店を敵だと思う方がいますが、それは間違いで同じ地域で商売をする仲間です。
時には、お客さんを取り合う形になってしまうこともあるかもしれません。
しかし周辺の店舗と日頃から友好な関係を作れていれば
- 自分のお店に食べに来てくれる
- いい情報をまわして貰える
- 困った時に助けてくれる
等、プラスの面も多いです。
僕は開業の時、周辺店舗へ挨拶にいったことがきっかけで仲良くしてもらっています。
そのおかげで
- 僕のお店に食べに来てくれた
- ためになる情報を教えてもらえた
- 食材を分けてもらえた
ということも1度や2度ではありません。
社交性がなく、自分のお店のことだけしか考えないような方は開業に向いていないでしょう。
こちらの記事も参考にしてください。
新店舗開業の挨拶まわりは絶対必要。その理由と挨拶まわりのポイントについて解説
自己管理ができない
自営業は、よくも悪くも自分で何事も決めていかなければなりません。
もし自己管理ができなければ
- 寝坊したので営業時間が遅れた
- 定休日以外の休みが増える
というようにどんどん楽な道へ行ってしまうでしょう。
当然そうなるとお店を続けるのは難しいですよね。
また自己管理ができない方は体調管理も甘いことが多いです。
自営業にとって体調管理は重要なスキルです。
万全の状態で働ける日を増やしましょう。
こちらの記事も参考にしてください。
自営業なのに1週間休んでしまった…実際に体験したことと対策を教えます。
コンセプトが明確でない
飲食店は参入障壁が低いので、当然ライバルは多くなります。
その中で生き残るためには、他の店舗にはない自店ならではの特徴、つまり「コンセプト」が必要です。
コンセプトは後から決めてしまうとブレる可能性があるので、開業を決めてから初めに明確にしておかなければなりません。
どんなお店にしたいか?はじっくり時間をかけて考えましょう。
コンセプトの決め方がわからない!
という方はこちらの記事を参考にしてください。
飲食店開業への第一歩、まずはコンセプトを決めよう!決め方についても解説
上記の項目に当てはまった場合
先ほどの特徴に当てはまっている方が取るべき行動は
- 飲食店開業を諦める
- 当てはまった特徴を改善する
のどちらかでしょう。
「2」に関しては今までの性格を変えることになるので、難しいですが無理ではありません。
開業してから少しでも生き残る可能性を高めるために、不安要素はできるだけ潰しておくようにしましょう。
飲食店開業をやめたほうがいい方の特徴を把握して対策しよう
今回は
- 飲食店が難しい理由
- 飲食店の開業をやめておいたほうがいい方の特徴
を解説しました。
再度おさらいすると、飲食店が難しい理由は
- 利益率が低い
- 参入障壁が低い
- 開業に多額の資金が必要
だからです。
飲食店開業をやめたほうがいい方の特徴は
- 料理が美味しくない
- お金の管理ができない
- 計画性がない
- 行動力がない
- 社交性がない
- コンセプトが明確でない
でした。
飲食店は本当に難しいので、安易な開業は止めておきましょう。
しかし
僕は会社員の悩みを解決してくれる働き方の1つが自営業
だと思っています。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
今回の特徴に当てはまらず、知識を十分蓄えたのであれば、開業を検討してもいいでしょう。
開業することが、あなたにとっていい働き方になると思いますよ。
ではでは。