飲食に携わっていると「原価率」という言葉をよく耳にしますが、実のところあまり理解できていない方も多いのではないでしょうか?
飲食店は原価率をもとに
- メニューの構成
- 価格変更
をしていかなければいけないので、把握しておきたい指標のひとつです。
そこで今回は
- 原価率とは?
- 原価率が重要な理由
- 原価率を安定させる方法
について解説していきます。
原価率の重要性を理解しておくことは経営するうえで間違いなくプラスになるので
- 飲食店を経営者
- 飲食店の店長をしている
といった方は参考になるので最後までご覧ください。
原価率はそこまで難しくないので、この記事で覚えてしまいましょう
原価率とは?
原価率とは、食材や飲料の仕入れコストが売り上げに対してどれくらいの割合を占めているかを数値化したものです。
原価率をもとにしてメニューの価格を決めるのが一般的です
また売り上げから原価を引いた数字を粗利と呼びます。
粗利も重要なので合わせて覚えておきましょう。
また来店があるたびに使用するコースターやおしぼりは食材ではないので厳密にいうと「原価」ではありませんが、コストには変わりないので意識しておきましょう。
原価率の計算方法
原価率がどのようなものか理解できたところで次は計算方法ですが
原価率(%)=原価÷売り上げ×100
これだけでできます。
「計算」という言葉に抵抗がある方もいますが、そこまで難しくないので覚えておきましょう。
慣れるとすぐに計算できるようになります
原価率が重要な理由
次は原価率の重要性についても解説していきます。
利益を左右する
原価率がブレてしまうと利益(収入)が安定しないことに繋がります。
例えば
売り上げが100万の場合 | A店 | B店 |
原価率 | 30% | 35% |
粗利益率 | 70% | 65% |
上記の表の場合、原価率が5%高くなると粗利益率(ここでは収入と考えてください)が5%低くなっていますね。
原価率が高くなると利益はどうしても少なくなります
また最近では物価高が問題になってますが、値上げをするかどうかの判断も原価率が目安にするので、最低でも1ヶ月単位で気にしておき
- 高すぎる場合
- 低すぎる場合
どちらも原因を考えるようにしましょう。
改善点に気づきやすくなる
原価率を定期的にモニタリングすることで、食材の無駄や過剰な在庫を発見しやすくなります。
例えば特定のメニューが原価率が高くなっている場合、材料の仕入れ方や調理方法を見直すことでコストを削減できる可能性もあります。
原価率が高くなっているときほど意識しましょう
競争力を維持できる
飲食店同士での競争が激しいなか、原価率を正しく管理することは競争力を維持するための重要なポイントです。
原価を抑えながら品質を守れれば、価格設定においても柔軟性を持てるので顧客を獲得できるでしょう。
飲食店の原価率は一般的に30%
飲食店の原価率は30%~40%がといわれていますが、個人的には40%では高すぎると感じています。
できれば35%以内に収まるように
- メニュー価格
- 仕入れ業者
を調整しましょう。
原価率が低いと
原価率が低すぎると利益率が高くなる一方でお客さんの満足度は下がりやすいです。
その反面率が高いとお客さんの満足度が上がりやすいですが、利益率は低くなります。
顧客にとって価値ある料理を提供しつつ適正な価格設定を行うことでリピーターを増やし、売り上げの安定化につなげましょう。
原価率を安定させるには?
原価率の重要性を理解できたところで安定させる方法を確認しましょう。
定期的に見直す
原価率を安定させる1番の方法は定期的に見直すことです。
調理をしていく中で食材の量は知らず知らずのうちにズレてくるので、定期的にチェックしメニュー化した時の分量を守りましょう。
特に
- あまり仕事に入っていないアルバイト
- 調理に慣れていない従業員
などのときはチェックする回数を増やすといいですね。
ロスを少なくする
ロスが想定より多いと原価率が高くなってきます。
反対にロスを減らすだけでも原価率は抑えれるので
- 調理ミスを減らす
- 在庫を適切に管理する
といった対策は必要でしょう。
メニューを見直す
原価が高い場合はメニュー価格や食材の変更といった判断をしなければいけませんが、どちらも難しければメニューから外すといったことも検討する必要があります。
メニュー全体のバランスも考え、あまりにも原価率が悪い商品があれば入れ替えも検討しましょう。
仕入れ業者と交渉する
先ほども触れましたが、物価高が話題になり業者さんからも各食材の値上げを伝えられる回数は増えてきました。
僕のお店でも様々な食材が値上がりしてます
ある程度の値上げは仕方ありませんが、食材の値段が上がると原価率が高くなり利益を圧迫するので、ときには拒否するのも重要です。
僕も過去には
- 同じ調味料でも安いメーカーを探してもらう
- 他の仕入れ業者に変更する
このような対策を取ってきました。
他の業者に変更されるのは嫌がるので、「1」で対応してくれることが多かったです
原価率を上手くコントロールできれば飲食店経営はしやすい
今回は飲食店にとって
- 原価率の重要性
- 原価率を安定させる方法
について解説しました。
再度まとめると原価率の重要性は
- 利益率を左右する
- 改善点に気づきやすくなる
- 競争力を維持しやすい
の3点で、原価率を安定させる方法は
- 定期的に見直す
- ロスを少なくする
- メニューを見直す
- 仕入れ業者と交渉する
の4点でした。
適切な原価率の設定と管理は
- 飲食店の収益性
- 運営の効率化
- 顧客満足度に直結
に関係している大切な経営指標です。
冒頭でもお伝えしたように原価率をコントロールすることは飲食店経営にとって非常に重要なので、今回の内容を実践することで満足度と利益率のバランスをとり、お店にとって適正な原価率をキープしましょう。
ではでは。