飲食店の開業には多額の費用が必要になります。
お店の広さにもよりますが、1000万近くの費用がかかることも珍しくありません。
開業費用には主に
・内装工事費
・厨房機器費
・物件取得費
この3点が必要になりますが、その中でも特に高額になるのが内装費用です。
そこで今回は飲食店にかかる内装費用の
・相場
・安く抑えるポイント
この2つについて解説します。
内装費用を上手に抑えることができれば、その後の経営は間違いなく楽になります。
開業後の苦労を減らしたい方はぜひ最後までご覧下さい。
飲食店内装費用の相場
同じ飲食店の内装費用でも
・居抜き物件
・スケルトン物件
どちらの物件か、によりかなり変わってきます。
物件ごとの相場を見ていきましょう。
居抜き物件の場合
居抜き物件とは前の店舗の
・内装
・設備
・備品
等が残っている物件のことです。
一般的に居抜き物件の方が費用を抑えれますが、業態によってもかかる費用は変わってきます。
業態ごとの相場に関しては次の通りです。
業態 | 坪単価の相場 |
カフェ | 約20万 |
レストラン | 約30万 |
焼肉屋 | 約40万 |
飲食店の中でも内装費用が高いのは焼肉屋ですが、その理由として
排煙や換気等を行うダクト工事が多く必要になる
ことが挙げられます。
反対にダクト工事が少ないカフェは内装費用が安くなる傾向があります。
また居抜き物件は前の店舗の使える部分を残す工事になるので、工事期間が短くなるのもメリットです。
僕のお店は3週間ほどでできました。
お店の家賃は工事をしている間もかかることがあるので、(大家さんに交渉することでオープンまで家賃が発生しないこともあります。)
工事期間が短いと家賃の負担も抑えれます。
スケルトン物件の場合
スケルトン物件とは備品はもちろん、内装がない物件のことを言います。
居抜き物件とは違い、何もない状態なので工事費用は高くなりやすいですが
デザインの自由度が高いため自分好みの店舗
にできます。
スケルトン物件による業態ごとの相場は次の通りです。
業態 | 坪単価の相場 |
カフェ | 約40万 |
レストラン | 約60万 |
焼肉 | 約100万 |
居抜き物件の方が内装費用が安いことはご覧の通りですが
・内装や設備を大幅に変更する
・違う業種や違う業態からの工事
だと相場より高くなることもあるので注意が必要です。
飲食店内装工事で重要なこと
コンセプトを決めておく
内装工事を始める前に、必ず今から始めるお店のコンセプトを決めておきましょう。
先ほどの表でもわかるように、同じ飲食店でも業態によって値段がかなり変わってきます。
内装工事は後から変更しにくい
ので、どのようなお店にしたいかを予めしっかり考えておくことが重要です。
こちらの記事も参考にして下さい。
内装業者を選ぶ
内装費用は業者によって差が出ることがほとんどです。
知人に内装業者がいるのであればそこに頼むのもいいですが、ほとんどの方は内装業者と繋がりがないはずです。
そのため複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりをとりましょう。
その際に
どのような作業にどれぐらいかかるか?
をしっかり確認しておくことが大切です。
相見積もりを取ることにより、内装費用の相場感が分かります。
予算を決めておく
内装費用はかければかけるほど豪華になっていきますが、そうすると当然高額になります。
特に初めての内装工事であれば分からないことが多く、業者の言われるがまま必要以上に費用をかけていることもあります。
大まかでもいいので
・自分はどのようなお店にしてほしいのか?
・そのために必要な工事をするといくらになるか?
この点をしっかり確認しておきましょう。
そしてここを疎かにする業者さんは工事も適当に済ますことが多いので、あまり関わらないほうがいいですね。
ここでも相見積もりを取ることが活きてきます。
ローンは組めない
飲食店内装費用は基本的にローンは組めないので
・自己資金でまかなう
・金融機関から融資を受ける
このどちらかで資金を調達しなければいけません。
内装費用はちょっとした作業でも数万円かかることもあるので、資金は余裕を持たせておきましょう。
また内装業者にも見積もり以外の作業をするときは、こちらの承諾が必要になることを伝えておけば後々のトラブルも防げます。
飲食店内装費用を安くするには
高額になりやすい内装費用であれば少しでも安くしたいと思いますよね。
次はその方法を紹介していきます。
できるところは自分でする
先ほど書いたように内装工事はちょっとした作業でも数万円単位でかかることがあります。
ということは
少しでも内装工事の作業を減らせれば工事費用は安くなります。
僕もあまり目立たないところの壁の色を塗ったりして内装費用を安くしました。
注意点としては
・重要な箇所
・目につく箇所
はプロに任せた方がいいです。
安くなるからとなんでも自分でしようとすると、仕上がりが微妙になってしまいます。
また業者さんからしても、素人が現場にいると作業がしにくいはずです。
基本的にはプロに仕上げてもらって簡単そうな作業は自分でする
これぐらいが費用と仕上がりのバランスがとれます。
居抜きの状態からあまり変更しない
居抜き物件が内装費用を抑えれることは先ほど説明しましたが、なるべく前の店舗の状態を残すことで内装費用を安くできます。
同じ業種業態だと、厨房設備もそのまま使えることもあります。
このような物件がタイミングよく見つかるのはレアなケースです。
見つからない場合は業者さんに相談して前の店舗をベースにした工事をしてもらうと良いです。
ただ、あまりにも残し過ぎすると前の店舗のイメージがついてしまうので、せっかく新しくオープンしても印象が薄れてしまいます。
そうならないためにも
入口等のよく目につところ
は大きく変えるといいですね。
後日でも追加の工事はできる
トータルの工事費用ではないですが、初期費用を抑える方法です。
開業前にできるだけ新しくしたい気持ちもわかりますが、後からでも工事できることは考えておいてください。
飲食店の開業は2年でおよそ50%の店舗が廃業すると言われています。
多額の内装費用をかけてキレイにしても、2年しか持たなければ無駄になってしまいます。
そうなるぐらいなら、開業前の内装工事はある程度に留めておき、お店が軌道に乗ってから再度気になる部分を工事するのもいいでしょう。
また内装工事に限らず、開業前に使える助成金や補助金があることが多いのでチェックしておくことをオススメします。
飲食店の内装費用を抑えたいなら物件選びが重要
今回は
・飲食店の内装費用の相場
・内装費用を抑えるポイント
この2点について解説しました。
飲食店の内装費用を上手く抑えるのに一番いいのは
同じ業態の飲食店居抜き物件
ということになります。
しかし内装費用が抑えれるからといって
・立地
・自宅からの距離
・客層
等を無視して物件を決めてしまうのはオススメしません。
とはいえ、物件を適当に選んでしまうと内装費用は高くなるので飲食店の居抜き物件を狙うと見つかりやすく、内装費用も抑えやすいです。
借りる物件によって内装費用が大きく左右されることを意識しておきましょう。
また内装費用のかけすぎは禁物ですが
・ショボい印象を与えてしまう
・すぐに追加の工事が必要になり結果的に高くつく
このような恐れがあるので、内装費用を削りすぎるのはいけません。
業者さんに相談して、長い目で見て安くなるようにしてもらいましょう。
ではでは。