売り上げが増えているのに手元にお金が残らない、という経験はありませんか?
その原因のほとんどは「売り上げと利益を混同していること」にあります。
結論からお伝えすると、経営を安定させるために本当に意識すべきは売り上げではなく利益です。
極端な話、売り上げがいくら高くても利益が残らなければ意味がありません。
そこで今回は
- 売り上げと利益の違い
- 売り上げだけを追うと起きる落とし穴
- 利益を増やすための具体的な考え方
をできるだけわかりやすくお伝えしていきます。
利益を意識するようになると、経営だけでなく働き方や気持ちにも余裕が生まれてきます。
- 売り上げばかり気にして利益を意識できていない
- 毎月頑張っているのにお金が残らない
このような方には参考になるので最後までご覧ください。
・今まで売り上げだけしか気にしていなかった
・毎月利益があまり残らない
という方は参考になるので最後までご覧下さい。
売り上げと利益は何が違う?
そもそもですが、簡単に売り上げと利益について解説すると
- 売り上げ=お客さんからいただいた金額の合計
- 利益=売り上げからコストを引いた、実際に手元に残るお金
このようになります。
たとえば1日の売り上げが10000円だった場合、材料費や家賃などコストを引いたら手元に残るの利益は2500円。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1日の売り上げ | 10000円 |
| 材料費 | -3000円 |
| 人件費 | -2,000円 |
| 家賃・光熱費など | -2,500円 |
| 手元に残る利益 | 2500円 |
レジには売り上げ分のお金が残るのでついつい利益のように感じてしまいますが、売り上げはあくまで「通過していくお金」であって、全部が自分の収入になるわけではないです。

売り上げの方が気になってしまうのは、毎日レジで確認できるわかりやすい数字だからですね
利益を正確に把握するには、光熱費や材料費がどれだけかかっているかを正確に管理しなければいけないので、かなりハードルが高いです。
とはいえ経営を安定させるには、この「利益」にこそ目を向けるのが大切ということを改めて認識しておきましょう。
売り上げだけを追うと起きる3つの落とし穴
売り上げを伸ばすことだけに集中していると、気づかないうちにいくつかの落とし穴にはまってしまう場合もあります。
そこで次からは飲食店では起こりがちなよくあるパターンを3つ紹介します。
安易な値引きで利益が消える
お客さんを増やしたくて割引やサービスをしてしまう、という経験はありませんか?
通常より安い値段で販売すると集客はしやすく、忙しくなるのでついつい利益が増えた気になりますが実はその感覚が黄信号。
| 項目 | 通常価格 | 値引き後 |
|---|---|---|
| 商品価格 | 1000円 | 900円 |
| 原価 | 300円 | 300円 |
| 1商品あたりの粗利 | 700円 | 600円 |
| 客数 | 100人 | 130人 |
| 売り上げ | 100000円 | 117000円 |
| 粗利益合計 | 70000円 | 78000円 |
| 利益率 | 70% | 66.7% |
上記の表は通常価格と100円値引きしたときの例です。
- 売り上げ
- 粗利益合計
どちらも増えているので成功しているように思いますが、利益率は下がっています。
これはもっと大幅な値引きをした場合、売れば売るほど苦しくなるという最悪の状態に陥る可能性もあります。
| 項目 | 通常価格 | 大幅値引き後 |
|---|
| 商品価格 | 1000円 | 500円 |
| 原価 | 300円 | 300円 |
| 1商品あたりの粗利 | 700円 | 200円 |
| 客数 | 100人 | 250人 |
| 売り上げ | 100000円 | 125000円 |
| 粗利益合計 | 70000円 | 50000円 |
| 利益率 | 70% | 40% |
こちらの例だと値引きしたことにより客数が増え、売り上げも高くなっていますが粗利益は20000円減っています。

売り上げだけで考えてしまうと、利益が残っていると錯覚するかもしれませんね
値引きは集客の手段として有効ですが「売り上げを増えるから」という理由だけで安易にやるのは危険と認識しておきましょう。
今回説明した「粗利益」や「原価」についての考え方がイマイチわからないという方はこちらの記事に詳しく解説しているので参考にしてください▷飲食店の原価率とは?計算方法から業種別の目安・改善ポイントまで完全解説

忙しいのにお金が残らない
売り上げを伸ばそうとした場合
- 自然と仕込みの量が増える
- 営業時間を伸ばすようになる
- 従業員を増やさなければ行けない状態になる
というように、人件費や光熱費などのコストも膨らむ傾向にあります。
これが行き過ぎてしまうと忙しくなっただけで利益はほとんど変わらない、という状態になりがち。
頑張っているのに手元に残るお金が増えないのは、売り上げに囚われすぎていないか考えて見ましょう。
コストの増加に気づきにくい
売り上げが伸びているときは「うまくいっている」という感覚になりやすく、コスト管理への意識が甘くなることがあります。

僕自身も経験がありますが、売り上げが好調なときほど多少のロスが出ても「まあいいか」と思ってしまいます。
売り上げを伸ばすためにコストが増え、意識の甘さからロスを拡大させてしまうと、数字はいいのに利益が残らない状態になることもあります。
利益をその都度把握するのは難しいですが、お店の状況を知るためにも意識するようにしておきましょう。
利益を増やしたいなら売り上げとコストの両方を見るべき理由

ここまで売り上げだけを追うことの危険性をお伝えしてきましたが、売り上げそのものを否定しているわけではありません。
売り上げは利益を生む源泉。

売り上げがゼロなら利益もゼロなので、増やそうとする努力はもちろん大切です。
ただ売り上げだけを追っていても、利益が増えないこともあるのは先ほど解説した通り。
利益を増やすためには
- 売り上げは増やす
- コストを下げる、または増やさない
このふたつをセットで考えるのが重要です。
売り上げを伸ばしつつ、コストも意識すると経営の難易度は下がります。
コスト管理こそ利益を増やす最短ルート
これまでを見てきた方は
「売り上げも大事ならやっぱり伸ばすために対策しないと!」
と考えるかもしれません。
もちろん売り上げを伸ばす努力は大切です。ただ実は利益を増やすための近道はコスト管理にあります。ここからは具体的にどこから手をつければいいのかを見ていきましょう。
なぜなら売り上げを伸ばすためには
- 集客の工夫
- 仕込みの増加
など、時間も労力もかかりますが、コストの見直しはすぐに始められて削った分がそのまま利益になるからです。
ここからは具体的にどこから手をつければいいのかを見ていきましょう。
コスト管理が利益を守る
売り上げを伸ばすのは簡単なことではないです。
- 新メニューの開発
- イベント
- 魅力的なサービス
といった売り上げを高めるための取り組みをしても、確実ではありません。
また今回何度もお伝えしているように
売り上げ=利益
ではなく、売り上げから光熱費や材料費などが引かれるので、手元に残るお金は売り上げより少なくなります。
その反面、コストは
- 今すぐ削減できる
- 削減できた分はそのまま利益になる
と即効性があります。
コスト管理が利益を守ると言われる理由はこのあたりにありますね。
またコストをしっかりしておくだけで潰れにくいお店になります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。▷【なぜつぶれない?】客がいないのに続く飲食店の秘密と生き残りのコツ
固定費から手をつけるべき理由
コストを見直すときにまずはじめに取りかかるのは固定費がオススメ。
固定費は毎月必ず発生するので一度見直すだけでその効果はずっと続きます。
つまりなるべく早いタイミングで見直しするほど利益を確保しやすくなります。
固定費の中でも電気代の見直しは
- ほとんど手間がかからず
- 節電効果は比較的高い
のでオススメ。
特に比較サイトを使えば無料で安いプランを紹介してくれるので、一度も電気プランを見直したことがない方は試してみるといいでしょう。
「どんな比較サイトを使えばいいかわからない…」
という方はメリットやデメリットなどを詳しく書いているこちらの記事を参考にしてください▷電気代を安くするならどこ?エネチェンジと電気チョイスを徹底比較
固定費が下がると生活が楽になる
電気代などをうまく削減できたことで、固定費が月3万円下がったとすれば
- 必要な売り上げは少なくてすむ
- 自分な好きなことにお金を使える
- 休みを増やせる
といったことに回せます。
余分な電気代を払うより、休みや趣味にお金を使うほうがはるかにいいと個人的には思います。
固定費を削減したら働き方が変わった話
僕自身電気代の見直しは定期的にしていて、開業当初に比べ20%ほどは安くなっています。
見直し前は「働かないと不安」という気持ちがありましたが、今ではかなり少なくなりました。
もちろん電気代の見直しだけで全ての負担が軽くなったわけではありませんが、それでも必要なコストを最適化できているのはかなり大きいです。
- 固定費を下げる
- 休みを増やす
- 気持ちに余裕ができる
- 今まで以上に仕事を頑張れる
と好循環になりました。
売り上げを増やすことも大切ですが、コストを最適化することで得られる「余裕」はお金だけじゃないと実感しています。
また僕は家族との時間を優先するために、売り上げの高い日曜日でも定休日にしました。
日曜日休めるようになったのは、コストを最適化できたことが大きいですが詳しくはこちらの記事をご覧ください▷【子育て世帯必見】99%の方が知らない飲食店の定休日に日曜日がオススメな理由
売り上げより利益を意識して心に余裕のある経営を目指そう
今回は売り上げを収入と勘違いしている方に向けて
- 売り上げと利益の違い
- 利益を増やす方法
- 固定費を削減したほうがいい理由
について解説しました。
改めて大事なポイントを整理すると
- 売り上げは「通過していくお金」であって、全部が手元に残るわけではない
- 売り上げだけを追うと忙しいのにお金が残らない状態に陥りやすい
- 利益を増やすには売り上げとコスト管理の両輪が必要
- コストを削減した分はそのまま利益になる即効性がある
- 固定費の見直しは一度やれば効果がずっと続く
このようになります。
数字としてわかりやすい売り上げを見てしまいがちですが、本当に大事なのは利益。
「いくら売ったか」より「いくら残ったか」を意識する習慣を持つことで、経営は確実に安定していきます。
利益を残すために固定費の見直しから始めてみてください。小さな積み重ねが、働き方の余裕につながるでしょう。
ではでは。

