「飲食店を開業したいけどやめたほうがいいといわれた…」
「飲食店は難しいって聞くけどなんでなんだろう?」
飲食店開業が難しいとされるのは
- 利益率の低さ
- 競合が多い
- 開業資金が多額になりやすい
主に以上の理由からです。
僕は飲食歴20年以上で、2016年からは夫婦で個人のお店を経営していますが

「飲食店経営は難しいですか?」
と聞かれると、「はい」と答えますが

「飲食店の開業はやめたほうがいいですか?」
と聞かれれば「人によります」と答えます。
飲食店の開業が難しいのは間違いないですが、自営業はとてもやりがいのある働き方で、人によっては雇われていたときより充実感を得られるでしょう。

僕も自営業をしてから満足のいく働き方ができているので、開業してよかったと思っています。
しかしリスクが高いので誰でも開業をしたほうがいいのではなく、やめたほうがいい方がいるのも事実。
そこで今回は
- 飲食店はリスクが高いとされる理由
- 飲食店開業をやめたほうがいい方の特徴
について解説していきます。
ただでさえ廃業率が高い飲食店ですが、向いてない方だとお店を続けるのは不可能に近いでしょう。
つまり開業にかかった数百万を損する可能性があるということです。
もし
「あなたが飲食店を開業したい!」
と考えているのなら、今回の記事が参考になるので最後までご覧下さい。
また開業して経営者になるなら「読書」の習慣をつけるほうがいいです。

読書のおかげで様々な知識が身につき、金銭的に得したことは多数あります
知らないために損をしているのは多いので、優れた経営者になるためには読書の時間を増やしましょう!
また飲食店開業に失敗する原因については、下記の記事にまとめているのでご覧ください。
飲食店開業の失敗率と後悔する理由
飲食店開業が失敗、つまり廃業する確率は
- 2年以内50%
- 5年以内70%
- 10年以内90%
となっています。

個人の飲食店にかかる開業資金は1000万ぐらい必要といわれていますが、それだけ多額の費用をかけても半数のお店は2年以内に廃業してしまう。

リスクが高いとされるのも納得ですね。
うかつに開業したことにより数百万の借金を抱えてしまったら…後悔するのは間違いないでしょう
飲食店開業はやめたほうがいいといわれる3つの理由
そもそも飲食店が難しいといわれるのは
- 利益率が低い
- 参入障壁が低い
- 開業に多額の資金が必要
等が大きい理由として挙げられます。
順番に解説していきます。
利益率が低い

飲食店の利益の構造として大まかに
項目 | コストの割合 |
材料費 | 30% |
人件費 | 30% |
家賃 | 10% |
光熱費 | 7% |
その他 | 13% |
営業利益 | 10% |
となっています。
上手くいっているお店では表の通り利益率が10%ほどなので、100万の売り上げがあっても手元に残るのは10万円となります。
ところが
- ロスが多い
- 人件費が高い
というように管理ができていないお店は、コストが高くなるので利益率はもっと悪くなり、結果的に廃業しやすくなります。

反対にコストをしっかり管理し、最適にしておけばお客さんが少なくても簡単には廃業しません。
くわしくはこちらの記事を参考にしてください▷客がいないのにつぶれない飲食店から学ぶ成功の秘訣
帝国データバンクがだしている倒産動向調査によると最近の材料費やエネルギー価格の高騰により倒産件数は増加傾向です。
仮に大きいコストの1つである材料費を下げようとすると、安い食材を使う(質が下がる)ことになるのでお客さんが遠ざかる原因になり、高い食材を使う(質を上げる)とお客さんは増えるかもしれませんが、利益率は下がります。
利益率を高めるためには、定期的にコストを見直しましょう。
競争が激しい
飲食店を開業するために必要な資格は
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
の2つだけです。
どちらも1日の講習で習得できるので、それほど難しい資格ではありません。
資格を取りやすいと参入障壁が低くライバルが多くなり、結果的に競争が激しくなります。
競争が激しいと経営が難しくなるのは間違いないでしょう。
開業に多額の資金が必要なのでリスクが高い
飲食店の開業には夫婦でするような小さいお店でも、およそ1000万ほどかかると言われています。
1000万もの大金を用意できる方は少ないので、借り入れをされる方がほとんどでしょう。
借り入れの元本に利息をつけて何年もかけて返済していく。

なかなか大変そうですよね。
改めて飲食店開業が難しい理由を簡単にまとめると、開業するために数百万も必要なのにライバルが多く稼ぎにくい、つまりリスクが高いということです。
このような条件だと確かに難しそうなので、安易な気持ちで開業するのはやめておいたほうがいいでしょう。
飲食店開業をやめたほうがいい方の特徴

飲食店の経営が難しい理由を理解したところで、飲食店の開業をやめたほうがいい方の特徴を解説していきます。
先に結論をお伝えすると
- 料理が美味しくない
- お金の管理ができない
- 計画性がない
- 行動力がない
- 社交性がない
- 自己管理ができない
- コンセプトが明確でない
です。
それぞれ詳しく解説していきます。
料理が美味しくない(プロとしての実力不足)
これはイメージしやすいですよね。
飲食店として開業するには料理が美味しくないといけません。
ただ勘違いしないでほしいのは、美味しいと決めるのはあなたではなくお客さんです。
全ての人が美味しいと感じる料理を作るのはハードルが高いですが、少なくても半数の方が納得できる味にしないと難しいでしょう。

でも美味しいのに続かないお店も多いよね?
その通りです。
飲食店を継続させるには
- 立地
- サービス
- 価格
- 居心地の良さ
というように、色々な要素が必要なので美味しければいいというわけではありません。
それでも僕は20年以上飲食店に携わってきて実感するのは、料理の美味しさが1番重要。
反対に多くの人が食べて美味しいと思う料理を作れるのであれば飲食店に向いているといえますね。
お金の管理ができない(経営感覚がない)
あなたは貯金は得意ですか?
自営業はお金の管理が本当に大事なので「貯金が苦手…」
という方は、開業に向いていない可能性があります。
仕入れや税金、といった定期的に支払いが発生するのに加え
- 厨房器具が壊れる
- 空調が壊れる
というように、突発的に必要な支出もあるからです。

この場合、お金をしっかりと管理しておかないと支払いができませんよね。
自営業はご存知のように売り上げが安定しませんが、それでも支払いが出来るように日頃から蓄えておく必要があります。
貯金やお金の管理が苦手といった方は開業しない方がいいでしょう。
計画性がない(準備不足だと失敗しやすい)

行き当たりばったりに行動している方も、開業をやめておいた方がいいです。
特に思いつきで開業するのは失敗の典型例です。
開業をするのであれば
- どのようなお店にしたいか
- どのようなお客さんが見込めるか
- そのためにどのような設備が必要か
等を熟考する必要があるので、計画的に進めなければいけません。
具体的な開業手順が知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
また「お金の管理」にも通じますが
- 税金の支払い
- 大規模な修繕
のためには、お金を蓄えておく必要があります。
計画を立てるのが苦手な方は、「今」のことしか意識しておらず、先のことを考えていないと思います。
計画性を鍛えるには少しずつでもいいのでこの後どうなるか?を考えるクセをつけてください。
その考えが間違っていても構いません。
先のことを考えるのを繰り返すことで、計画的な行動が出来るようになるでしょう。
行動力がない(スピード感の欠如)
「飲食店」に限らずですが、自営業を続けるには行動力が必要です。
売り上げを伸ばすためにいい方法を思いついたとしても、実行しなければ意味がありません。
悪い箇所を見つけることができても、改善しなければ何も変わりません。

失敗するのが怖くて動けない…
このような方もいると思いますが、ポイントは小さく始め問題がなさそうなら大きく動く。
これなら失敗しても致命傷にはならず、経験が残ります。
僕も
- 貸し切りイベントを企画しても人が集まらなかった
- 新メニューを登場させてもほとんど注文されなかった
- 購入した調理器具を買ったのに1度も使わなかった
といったように、開業してから失敗をしましたが、そのおかげで人気メニューや人が集まるイベントにつながりました。
小さな失敗は成功のするための練習と割り切ってとにかく行動していきましょう。

まずはやってみるを合言葉に行動しましょう
社交性がない(お客さんとの関係構築ができない)
飲食店の自営業をするのであれば、社交性は間違いなく重要です。
お客さんに対してもそうですが、周辺店舗や近所の方にも社交性がないといけません。

近所の方はまだ分かるけど、周辺店舗の方はライバルに当たるからいいんじゃない?
と思うかもしれませんが、間違いなく必要です。
よく、周りの飲食店を敵だと思う方がいますがそれは間違いで同じ地域で商売をする仲間です。
ときには、お客さんを取り合う形になってしまうこともあるかもしれません。
しかし周辺の店舗と日頃から友好な関係を作れていれば
- 自分のお店に食べに来てくれる
- いい情報をまわして貰える
- 困った時に助けてくれる
等、プラスの面も多いです。

僕も開業の時に周辺店舗へ挨拶にいきましたがそれがきっかけで今でも仲良くしてもらっています。
そのおかげで
- 僕のお店に食べに来てくれた
- ためになる情報を教えてもらえた
- 食材を分けてもらえた
ということも1度や2度ではありません。
社交性がなく、自分のお店のことだけしか考えないような方は開業に向いていないでしょう。
こちらの記事も参考にしてください。
新店舗開業の挨拶まわりは絶対必要。その理由と挨拶まわりのポイントについて解説
自己管理ができない(甘えがでる)
自営業は、よくも悪くも自分で何事も決めていかなければなりません。
もし自己管理ができなければ
- 寝坊したので営業時間が遅れた
- 定休日以外の休みが増える
というようにどんどん楽な道へ行ってしまうでしょう。
僕の知人は営業時間や定休日がバラバラなために、あまり忙しそうでないお店もあります。

当然そうなるとお店を続けるのは難しいですよね
また自己管理ができない方は体調管理も甘いことが多いですが、自営業にとって体調管理は重要なスキルです。
万全の状態で働ける日を増やしましょう。
コンセプトが明確でない(差別化できないと生き残れない)
飲食店は参入障壁が低いので、当然ライバルは多くなります。
その中で生き残るためには、他の店舗にはない自店ならではの特徴、つまり「コンセプト」が必要です。
コンセプトは後から決めてしまうとブレる可能性があるので、開業を決めてから初めに明確にしておかなければなりません。
どんなお店にしたいか?はじっくり時間をかけて考えましょう。
「コンセプト」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要はどんなお店にしたいか?を考えるということです。
些細なことでもいいのでこれなら他店に負けない、といったものを考えましょう。
コンセプトの決め方がわからない!
という方はこちらの記事を参考にしてください。
飲食店開業への第一歩、まずはコンセプトを決めよう!決め方についても解説
当てはまったら要注意!飲食店開業を成功させるための対策

先ほどの特徴に当てはまっている方が取るべき行動は
- 飲食店開業を諦める
- 当てはまった特徴を改善する
のどちらかでしょう。
「2」に関しては今までの性格を変えることになるので、難しいですが無理ではありません。
開業してから少しでも生き残る可能性を高めるために、不安要素はできるだけ潰しておくようにしましょう。
飲食店開業をやめたほうがいい人の特徴を知り、成功への準備をしよう

今回は
- 飲食店が難しい理由
- 飲食店の開業をやめておいたほうがいい方の特徴
を解説しました。
再度おさらいすると、飲食店が難しいのは
- 利益率が低い
- 参入障壁が低い
- 開業に多額の資金が必要
といった理由があり、リスクが高いからです。
飲食店開業をやめたほうがいい方の特徴は
- 料理が美味しくない
- お金の管理ができない
- 計画性がない
- 行動力がない
- 社交性がない
- 自己管理ができない
- コンセプトが明確でない
でした。
飲食店は本当に難しいので、安易な開業はやめておきましょう。
しかし僕は会社員の悩みを解決してくれる働き方の1つが自営業だと思っています。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
今回の特徴に当てはまらず知識を十分蓄えたのであれば、開業を検討してもいいでしょう。
開業することがあなたにとっていい働き方になると思いますよ。
他にも開業について知りたいことがあれば無料でお答えさせてもらうのでお問い合わせフォームより連絡くださいね。
ではでは。