夫婦でお店をやっていると
「もう一緒に働きたくない…」「顔を見るのも嫌」と、何度も思ったことでしょう。
仕事の日は些細なことから喧嘩に発展し、毎日のように言い合いになってしまう。
もう我慢できなくなって、別の会社で働きたいことを伝えても
- 代わりになれる人材がいない
- ほかの授業員を雇えるほどの利益がない
このような理由から辞めることさえできない。
辛いですよね。
夫婦での経営は始めやすい反面、いざこざが多く、「最悪」と感じることも少なくありません。

僕の周りの経営者は夫婦だと上手くいかなかったために、わざわざ従業員を雇っていたりもします。
僕は2016年から夫婦で飲食店を経営していて、開業したばかりは妻とよくぶつかっていましたが、少しずつ工夫を重ねて、今はなんとかふたりだけでも営業できるようになりました。
そこで今回は
- 夫婦での経営が最悪だといわれる理由
- 夫婦経営のメリット
- 夫婦経営で最悪とならないための対策
を解説していきます。
夫婦経営は最悪となりやすいですが、少し考え方を変えるだけでも自分たちにあった働き方になります。
「夫婦で同じ職場は嫌だ」
といった方は、働きやすくきっかけになるかもしれないので最後までご覧ください。
自営業の奥さんのストレスについてはこちらの記事を参考にしてください▷もう限界…自営業の夫にストレス爆発!嫁が感じる本音と乗り越え方
また夫婦経営が上手くいくためには固定費の見直しが重要。
固定費が改善すれば利益が増えることにつながるので
「一度も電気代を見直したことがない」
という方ほど「エネチェンジ」を使ってみましょう。
夫婦経営は最悪?ストレスを感じる理由

まずは夫婦経営が最悪だといわれる理由を解説していくので一緒に確認しましょう。
常に一緒にいるのでストレスに感じる
夫婦経営だと仕事はもちろん、休みの日まで一緒に過ごすようになります。
仕事のときはまだ我慢できても、休みの日に一緒に過ごすには抵抗がある方は多いでしょう。
特にあなたが
「自分の時間はしっかり確保したい!」
と考えているなら、夫婦経営に向いていない可能性があります。
一方で一緒にいることに抵抗がない方は、夫婦経営でも上手くいくかもしれないですね。

僕自身ほとんどの休みを妻と一緒に過ごしていますが、あまり気になりません。
喧嘩が多くなることも
常に一緒にいることが原因で喧嘩が増えることもあります。
確かにお互いストレスが溜まっている状態で一緒にいると、些細なことでも喧嘩に発展するのはイメージできますね。

夫婦経営では喧嘩をいかにして防ぐかも重要なので、対策は必要ですね。
喧嘩から妻が仕事を投げ出した
僕たちも喧嘩は幾度となく起こりましたが、ささいな言い合いからどんどんエスカレートしていき、妻が職場から走り去ったことがありました。

しばらくすると帰ってきてくれたので営業にはさしつかえはありませんでしたが、今までのいろいろな不満が爆発したのでしょう。
夫婦経営はふだんから同じ方向を向いて頑張っている分絆も深くなりやすいですが、ちょっとした一言や態度のズレが、大きな亀裂につながることもあります。
お互いを一番理解しているからこそ、気持ちをぶつけやすくなる。
そしてそれが蓄積すると一気に爆発してしまうのが、夫婦で仕事をする難しさでもあります。
- 小さな違和感を放置しないこと
- 感謝や思いやりを言葉にして伝えること
がとても大切なのだと、経験を通じて強く感じました。
自営業の夫婦が喧嘩になりやすい理由、対処法を知りたい方はこちらを参考にしてください。
怒りのはけ口がない
夫婦でお店を切り盛りしていると、仕事中のトラブルやストレスを外に吐き出す場所がありません。
他に従業員がいれば愚痴をいったり、相談できたりするので気が紛れますが、夫婦ふたりだけの職場ではそれすらもできません。
そして仕事から帰ってきても話す相手は同じ人。

結果的に仕事のストレスをそのまま家庭に持ち込み、
「ずっと仕事の延長線上にいるような感覚」になる人も多いです。
- 会話からストレスを発散させたい
- 気持ちの切り替えがうまくいかない…
このような方にとって、夫婦だけの職場は苦痛になるかもしれませんね。
仕事の話ばかりになる
僕たちもそうですが、夫婦で一緒に働いているとよくも悪くも常に仕事の話をしています。
もしあなたが休みの日ぐらいは仕事のことを考えたくない、と考えているなら夫婦での経営は向いていないかもしれません。
夫婦で働くことのイメージを持ちたい方は下記記事を参考にしてください。
仕事でリスクをとりにくい
会社を大きくしたい場合は、多少のリスクを受け入れて資金を投入しなければいけません。
しかし夫婦経営であれば仕事が失敗してしまうと生活にも直接的な影響を及ぼすため、リスクをとることに対する心理的な抵抗が生じることがあります。
夫婦経営でもリスクをとりたいならそれなりの覚悟が必要でしょう。

収入がひとつになる
夫婦で同じ仕事をしていれば収入源がひとつになってしまうので、何かの理由で働けなくなった場合は収入が途絶えてしまいます。

僕自身、開業してから急に1週間ほど休んだことはありますが、貯金が少なかったわけでもなかったのに収入が途絶えて不安でした
リスクを減らすためには収入源を複数持っておくのが理想ですが、まず取り組みやすいのは固定費を下げること。
固定費を下げておけばたとえ一時的に収入が減っても支出を抑えられるので、金銭的なダメージを小さくできます。
また生活費も合わせて見直しておくことで、必要な売り上げのハードルも下がり働く時間を少なくすることも可能です。

僕も固定費を最適化できてから休みを増やしましたが、収入はほとんど変わっていません
電気代などは業者の変更で手間をかけずに年間数万円削減するのは簡単なので、
「一度も見直したことがない」
という方は下記のボタンからシミュレーションしてみましょう。
光熱費について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください▷飲食店の光熱費は8%が目安!簡単にできる電気・ガスの節約術も紹介
休めないこともある
経営をしていると基本的に
働く→収入が増える
休む→収入が減る
ことになるので、休みをとらずに働き続ける方も少なくありません。
特に男性の方ほど休まないことが多いですが、女性の方からするとそこまで働きたくないと思っているかもしれませんね。

僕自身でも開業したばかりのときはほとんど休んでいませんでしたが、今では最低でも週に1度は必ず休むようにしています。
僕が休むようなった理由については下記の記事をご覧ください。
夫婦別々で働くようになった経営者の実例を紹介
夫婦経営は衝突が起きやすいので、別々に働くようになったという方もいます。
具体的にイメージしやすいように、僕の周りにいた夫婦経営をやめてしまった経営者を紹介します。
夫婦で整骨院を経営していた方の実例
開業した時は夫婦でスタート。
はじめは順調でしたが、数年が過ぎたところで夫婦での言い合いが増え常に仕事場は険悪な雰囲気に。
ついにはアルバイトを雇うことにし、奥さんは別の職場で働くようになりました。

常に一緒にいれば喧嘩ばかりになると言ってました。
長い時間を過ごすと嫌な面が見えてくるかもしれないですね。
夫婦でイタリアンを経営していた方の実例
夫婦でイタリアンを開業したBさん。
イタリアでの修行経験もあるBさんの料理はすぐ評判になりました。
しかしこだわりのあるBさんは、奥さんが思うような接客をしてくれないことが不満に。
アルバイトを雇ったこともありますが、やはり接客の不満は解消されず最終的にはワンオペで営業するようになりました。

接客の不満はなくなりましたがBさんの負担は増え、かなり大変そうです
ちなみに「ワンオペ」と聞くとネガティブな印象を持つかもしれませんが
- コストを抑えれる
- 求人の手間がなくなる
- あなたのペースでできる
といったメリットがあるので意外とオススメできます。
ワンオペについて知りたい方は下記記事をご覧ください。
夫婦経営でも最悪にならないための対策

最悪だといわれる理由を理解すると

やっぱり夫婦経営はやめておこう
と思うかもしれませんが、対策はできます。
次は対策方法を見ていきましょう。
お互いの時間を確保する
夫婦での経営が最悪といわれる理由のひとつに「常に一緒にいる」ことを挙げましたが、別の言い方をすると、お互い自由な時間を定期的に作っておくことで対策できるということです。

僕の場合だと妻が週末に子どもたちを実家に連れて行ってくれてるおかげで、夫婦経営でも気になっていません。
実家に帰るのが難しければ
- 休みの日は別々の行動をする(お互いに干渉しない)
- 仕事の日でも定期的に早上がりを取り入れる
といった対策をとってもいいですね。
お互いの時間を確保できるようにルールを決めておくといいでしょう。
仕事とプライベートをわける
夫婦で経営するとどうしても休みの日まで仕事の延長になってしまいます。
そうなってしまうと、仕事とプライベートの境目がなくなり常に働いている感覚になることもあります。

家族の時間も大切にしてほしいです
夫婦で働くにはオンとオフの切り替えを上手くする必要があるでしょう。
僕のお店では忙しく、売り上げの高くなりやすい日曜日をあえて定休日にしています。理由については下記記事をご覧ください。
事前にルールを決めておく
夫婦でのトラブルを防ぐためには仕事をする前に働くためのルールを明確にしておくことが大切です。
例えば
- 仕事のときはお互いに敬語を使う
- 喧嘩になっても一定の時間が過ぎればお互いに謝る
- 誕生日は定休日にする
などですね。
このようなルールを見えるところに貼っておくだけで、夫婦間の衝突は減らせるでしょう。
夫婦経営5つのメリット

夫婦経営の悪いところを解説してきましたが、もちろんメリットもいくつかあります。
次は強みについても確認しましょう。
信頼感がある
夫婦経営の一番大きな強みは「信頼感がある」ということでしょう。
アルバイトでも優秀な方は多く、「戦力」という観点では無理に夫婦でせずに人を雇って営業しても問題ないように感じるかもしれません。
僕はアルバイトを雇っていましたが
- 急にこなくなる可能性
- ミスした時の対応
- 仕事の仕方
などを考えると、妻と一緒にするほうが安心して任せれると感じました。
自分の他にも任せれる人がいるのは、精神的な負担をかなり軽減してくれます。
自分の作業に集中したい方ほど信頼できるパートナーと営業ほうがいいでしょう。
話す機会が増える
夫婦で一緒に働くと
- 仕事の合間
- 休憩中
- オープン前の準備や片付け
上記のような時間を利用して話す機会は間違いなく増えます。
僕たち夫婦の場合だと
- 子どものこと
- 仕事のこと
- 休みの日にどこに行くか?
このようなことについて話しているおかげでコミュニケーションをよくとれていますし、子どもについても共有できています。
しかし夫婦別々の仕事だとお互いの時間がすれ違って話す機会がないとかもしれませんね。
因みに夫婦の会話時間の平均は1時間30分というデータもあります。

個人的にはもう少しあった方がいいと思っています。
働きながら会話できるのは夫婦仲を深める面から見るといいことですね。
仕事の悩みが共有できる
お互い別々の仕事をしていると、パートナーが仕事について理解してくれないと思ったことはないでしょうか?
同じ仕事をしていると、悩み等を共有できるので夫婦の絆は深まりやすいです。

それだと仕事の話ばかりになりそうだね
と感じるかもしれませんが仕事の話といっても雑談ベースなので、そこまで嫌がることでもなく、同じ悩みを共有できたことが嬉しいですね。
休みを合わせれる
夫婦経営だと当然のことながら、休みを合わせやすいです。
休みが合わせやすいと
- 旅行などの計画が立てやすい
- 家族の時間が増える
- 子どもの行事に参加しやすい
このようなメリットがあり、特に旅行に関しては個人的にも魅力を感じています。
それはホテルや施設の料金が安いときを選んで旅行をでき、そのような日は人が少ない。つまり施設を満喫できるのに料金は安いということですね。

普段日曜日に休んでいても旅行の際は安い日を選んで臨時休業にしています
人件費をコントロールしやすい
他の従業員を雇った場合のデメリットとして、簡単に辞めてもらうことはできないことが挙げられます。
忙しいときはいいですが暇になってくると人件費の負担は大きくなります。
夫婦だと暇で売り上げが悪くなっても自分たちの収入を減らすだけなので、人件費のコントロールがしやすいですよね。
そのようなことを考えると、夫婦経営は守備力の高い開業といえるでしょう。
ただし家族の給料は経費にするためには、青色事業専従者給与の届け出を提出しておかなければいけません。そこまで難しくないので早めに提出しておきましょう。
夫婦経営は最悪じゃない!力を合わせて苦難を乗り越えよう
今回は夫婦経営が最悪な理由について解説してきました。
再度理由をまとめると
- 常に一緒にいる
- 怒りのはけ口がない
- 仕事の話ばかりになる
- 仕事のリスクがとりにくい
- 収入が一つになる
以上の5点ですが、対策することはできるので夫婦経営を無理にあきらめる必要はないでしょう。

夫婦経営が最悪といわれるのもわかる気がしますが、僕はメリットの方が大きいと感じています
「アルバイトを雇ってくれれば働きに行けるのに」
と思うかもしれませんが、アルバイトを雇うにもデメリットがあることを忘れてはいけません。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
▷【後悔を防ぐ】アルバイトを雇う前に知るべき現実と夫婦だけで営業するための工夫4選
夫婦の強みを活かすことで従業員を雇うよりいい結果になるはずなので
夫婦経営は最悪なのでやめておこう
ではなく
夫婦経営の悪い部分を対策して強みだけを享受しよう
このような考えでいくといいでしょう。
夫婦で働くといろいろな困難にぶつかるはずと思うので、その度に力を合わせて乗り越えていきましょう。
「夫婦自営業」については網羅的に下記にまとめているので参考にしてくださいね。
▷夫婦
ではでは。







