飲食店で働いていると自分のお店を持ちたいと考える方は多いです。
中には実際に開業を決意された方もいるのではないでしょうか?
しかし改めて開業について調べてみても何から始めればいいか分からない…という方も少なくありません。
僕も初めは開業に向けてどう進めていけばいいかわからなかったので苦労しました。
そこで今回は夫婦で飲食店を経営して7年目になる僕が、飲食店の開業に向けての手順を解説していきます。
飲食店の開業を決意した
方はもちろん、将来的に開業を考えている方も今回の記事が参考になるので、最後までご覧ください。
小さい飲食店の開業資金はどれぐらい必要?
まずは開業をするために必要な資金を確認しておきましょう。
一般的に飲食店の開業には1000万円ほど必要と言われています。
しかし実際には
- 店舗の広さ
- 工事の内容
- 必要な厨房機器
等によって大きく変わります。
また
- スケルトン物件
- 居抜き物件
どちらにするかだけでも数百万単位で開業資金が変わることもあります。
開業資金についてはこちらの記事が参考になります。
小さい飲食店の開業資金はどれぐらい?実際にかかった費用の内訳を公開
また短期間で開業資金を貯める方法の一つにリゾートバイトがあります。
リゾートバイトは
- 時給が高い
- 住み込みがほとんどなので生活費をかなり抑えれる
という理由から1年で200万貯めることも目指せます。
なるべく早く開業したい!と考える方は検討してみるといいでしょう。
開業資金を抑えたいなら間借り営業を検討する
1000万円も開業資金にかかると聞くと
そこまで多額の資金を用意できない…
と考える方は間借り営業を検討してみてもいいでしょう。
間借り営業は、既存の店舗の一部を使わせてもらい営業する方法ですが
- 開業資金を抑えれる
- 開業できるまでの期間が短い
といったメリットがあります。
ただし、間借り営業ならではのデメリットもあるので詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
初期費用を格段に抑えれる間借り営業とは?デメリットも合わせて紹介
コンセプトを考える
必要な開業資金を知っても開業へと進めていきたいのであれば、次にすべきことはお店のコンセプトを考えることです。
飲食店といっても様々な店舗があるので、その中からあなたがどのようなお店にしたいかを考えなければいけません。
考えるといっても
今まで中華をしてきたから中華料理屋さんにしよう
とか
コーヒーが好きだからカフェにしようかしら
これだけではダメで、もっと掘り下げて考える必要があります。
例えば「中華料理屋」をするのであれば
- ホテル等の高単価なお店
- 大衆向けのお店
のどちらにするかでかなり変わってきます。
そして仮に「高単価なお店」に決めるとすれば
- 落ち着いた空間
- お洒落な雰囲気
- しっかりした接客
このようなことが求められますよね。
コンセプト次第でお店は変わってきます。
開業を失敗しないためには
コンセプトをどれだけ煮詰めれるかにかかっている
といっても過言ではありません。
コンセプトについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
メニューを考える
コンセプトがしっかりと考えられたのなら、次はメニューを考えていきましょう。
メニューはもちろん後からでも増減させることは可能です。
初めに考えるメニューは
- 自信のあるもの
- 作りやすく手間のかからないもの
- 今まで好評だったもの
このような料理がいいでしょう。
開業してすぐのメニューでお客さんに気に入ってもらえなければ、今後の来店が見込めなくなります。
初めのメニューは特に重要なので慎重に決めましょう。
メニューの決め方についてはこちらも参考にしてください。
物件を探す
コンセプトやメニューが固まってくると、いよいよ物件を探しましょう。
最近ではネットでも多くの物件を確認できるので、メニューを考えるのと同時進行でも問題ありません。
数ある物件の中から自分にあった物件を見つけるのは大変なように思いますが、コンセプトがしっかりと決まっていればそこまで難しくありません。
先ほどの「中華料理屋」を例に挙げると
このような物件が候補になるのに対し
と、候補になる物件は違ってきます。
ただ、ここまで決まっていてもいい物件は中々出てきません。
僕の場合でも、理想の物件に出会うまで1年ほどの期間が必要でした。
物件の良し悪しは今後の経営に響いてくるので、根気強く待つことも必要です。
といっても
- 立地がよく
- きれいで
- 家賃が安い
このように全てを兼ね備えた物件はありません。
物件を選ぶためには「何か」を妥協しなければいけないことは意識しましょう
物件の探し方については下記の記事が参考になります。
こういう物件を選ぶといい、という所まで解説しているので参考にしてください。
物件を探すぐらいで会社を辞めるタイミングですが
物件が全く決まっていない時に仕事を辞めることはオススメできません。
物件が中々見つからず、生活費の確保が難しいからです。
しかし、いい物件が出てきてから仕事を辞めるのも
- 会社をすぐに辞めれるとは限らない
- 物件を抑えるためには契約する必要があるので、辞めれない期間無駄な家賃を払わなければいけない
この2つの理由からも止めたほうが無難です。
僕の場合だと、会社を辞めて物件が見つかるまで派遣社員として働きました。
派遣社員は
- 社会保険に入れる
- 比較的すぐに辞めれる
ので、物件が見つかるまでの期間、仕事をするには都合がいいです。
会社の状況ですぐには辞めれなさそう…
こんな方は派遣社員も検討してみてくださいね。
飲食店の開業に必要な資格
飲食店を開業するためには
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
の2つの資格が必要です。
どちらも有効期限がなく、1万円ほどの講習で取得できるので時間がある時に受けておくといいですね。
必要な届け出
必要な届け出としては
- 食品営業許可
- 防火対象設備使用開始届
です。また
- 個人事業の開廃業等届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
は絶対に必要な届け出ではありませんが
提出することにより税金上のメリットが得られます
届け出は時間のあるときに早めに提出しておきましょう。
資格の取得方法や届け出の場所のついて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
飲食店開業に必要な資格は2つ。取得の仕方と必要な届け出についても解説
内装業者の選び方
飲食店開業に必要な内装工事は、数百万といった資金が必要なことも珍しくありません。
その決め手となるのが内装業者の選定です。
内装業者によっては
仕上がりが悪いのに料金は高い
このようなことはよく起こるので、防ぐために相見積もりをとりましょう。
相見積もりは複数の業者さんに見積もりを出してもらうことです。
相見積もりを取ることで、今回必要な内装工事費用の目安がだんだんわかってきます。
当然高すぎる業者を選ぶ必要はありませんが、安すぎる業者も注意が必要。
内装工事は見た目では分かりにくくても、手を抜いて仕上げることができるからです。
そこで重要になってくるのが
- 工事の内容
- なぜ安くできるのか
この2点です。
あなたが希望する工事の内容で内装工事費が安い業者さんを選ぶといいでしょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
飲食店内装費用の相場はどれぐらい?安くするためのポイントも紹介
フランチャイズも検討してみる
開業したい気持ちはあるけど知識や技術に自信がないという方はフランチャイズでの開業も検討してみましょう。
フランチャイズは本部にメリットが多いですが、中には稼ぎやすいお店もあるので悪いものではありません。
どのようなフランチャイズを選ぶ基準などについてはこちらの記事をご覧ください。
不安で開業に踏み切れない場合
繰り返しになりますが、飲食店開業には多くの資金が必要です。
開業資金を自分で用意できればいいですが、ほとんどの場合は借金をして開業するようになるでしょう。
そのため
開業したいけど失敗して借金が残ったらどうしよう…
と考える方も多いです。
僕は600万円を借りて開業しましたが、本当に返済できるか正直不安でたまりませんでした
この不安を解消するには
返済できるように頑張る
ことはもちろん
失敗したらどうなるか?
を理解しておけば大丈夫です。
不安に思うのは知らないから、知ることで不安を解消できることは多いです。
もし気持ちの面で開業に踏み切れないのであればこちらの記事を参考にしてください。
飲食店を開業するまでにはどれぐらいの期間がかかる?
開業を計画してから実際にお店をオープンさせるまでの期間は、おおよそ1年間です。
あまりにも開業までの期間が短いとコンセプトが定まっていなく、準備不足になることが多いです。
反対に、計画してから開業まで長すぎると
- 機会損失につながる
- モチベーションを維持しにくい
といったデメリットがでてくるので、1年を目安に逆算して計画していくといいでしょう。
飲食店開業はやりがいのある働き方
今回は飲食店を開業したい方へ向けて、手順を紹介しました。
「開業する」と聞くとハードルが高く感じるかもしれません。
そして色々な手続きが必要なことを知り、大変に思った方もいるでしょう。
開業への判断は大きいお金が動くため、慎重に判断したほうがいいです。
しかし
手続きに関しては、そこまで難しく考えずに進めていけば終わっていくので
心配しなくても大丈夫です。
僕も開業したばかりの時は知らないことばかりで、遅れて手続きをしたことも多くありました。
それでも何とかできました。
僕は開業をして本当によかったと思えるぐらい、自営業という働き方が好きです。
自営業は大変ですが、その分やりがいもあります。
あなたがこの記事をきっかけに飲食店を開業し、「楽しい」と思える働き方ができていると嬉しいです。
ではでは。